木村ゼミ3年生が今年も「学生の政治意識アンケート」
「消費税増税」や「原発再稼働」などを巡って与野党の対立だけでなく、与党・民主党の分裂騒ぎなど不安定な政局が続き、解散総選挙も取り沙汰される日々ですが、学生はどのように今の政治をみているのでしょうか? 木村ゼミでは、2003年から学生の政治意識をアンケートによって探ってきていますが、今年も6月に1週間、3年ゼミ生(ゼミ長・王野智行)が8回目の調査を実施しました。
結果は、7月10日の毎日新聞にも取り上げられ、紹介されました。
調査に協力していただいた学生は、過去の調査と同じく岡山大、岡山商科大、山陽学園大、就実大、ノートルダム清心女子大と岡山理科大の6大学の計864人です。各大学にゼミ生が出向き、対面で質問しました。
注目の「政治への関心」は41%、過去最低の数字でした。これまでは03年45%、06年46%、08年44%、09年53%、10年52%、11年46%。政権交代があった09年に50%台に乗り、翌10年も50%台を維持しましたが、概して45%前後で推移する状況でしたが、今年は大きく落ち込みました。
今回の調査時期には「消費税増税」など、市民生活に関するニュースなどが大きな話題になっているころでしたが、不安定な政局に、期待も薄れ、同時に関心も下がる結果になったようです。
ただ、「新聞・TV・インターネットなどで政治の話題を見るか」では、「よく見る」は低かったものの「たまに見る」が68%にもなったことが注目されました。「政治について友人や家族と話すか」でも、「よく話す」は非常に低かったものの「たまに話す」は52%でした。
今の学生は「不景気」や「雇用問題」で、就職活動などで苦境に直面しています。今後の政治に期待しているものでは、「景気回復」が58%でトップ、次いで「雇用問題」16%となり、景気の回復と同時に就職難から抜け出したいという思いが、結果に強く表れているように思いました。
「政局のゴタゴタには関心がなく、むしろ政治離れ」といきたいが、将来のことを考えると「景気問題」「雇用問題」などからは目を離せないし、といったジレンマが垣間見られる結果だと分析しています。
また、面白い結果だなと思ったのが「次の総理大臣を誰にやってほしいか」の回答です。小泉純一郎、橋下徹、野田佳彦の3氏が突出していましたが、理由は、小泉さんは「人柄が好きだから」「政治腕力があるから」、橋下さんは「政治腕力があるから」「政策が期待できるから」、野田さんは「なんとなく」でした。
強いリーダーシップでこの政局を何とかしてほしい、景気回復につながる政策を実行してほしい、と願っている声が浮き彫りにされているようで、私たちも同感です。野田さんの「なんとなく」は、他に“適任者”がいないので“とりあえず、いまは・・・”とも取れる結果で、国民としては、少々考え込まされる結果ではないでしょうか。
調査後に、消費税増税法案は衆院で可決され、参院に送られました。大飯原発も再稼働しました。民主党は、小沢一郎・元代表らが離党、党内もいまだに揺れ動いています。「衆院解散総選挙」も現実のものとなるかもしれません。
マスメディアの世論調査を見ていますと、「政治離れ」は学生ら若者だけではなさそうです。これからどのような動きになるのか、木村ゼミでは、マスメディアを通して注目度を維持したいと、日々目を光らせ、耳をそばだてています。
毎日新聞記者の取材を受ける木村ゼミ3年生
(文・時末拓季、写真・木村邦彦)