学生生活

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2006/01/17

第5回

本を片手にバスに乗る

小 井 夏 美

(岡山県赤磐市出身,2005年度入学)

 大学生になってからというもの,あっちからもこっちからも「読書は大事!」という声が聞こえてきた。けど,半年を過ぎても私の読書量は増えなかった。私の月間読書量は0~1冊…。

 読書なんて面倒くさいと思っていた私が最近していること。それは,バスの中で読書。 毎日鞄に1冊の文庫を忍ばせている。

 なぜ突然,バスの中で読書,なんて始めたのか。それはある1冊の本がきっかけだった。齋藤孝著「コミュニケーション力」という新書で,ある教授が講義中に紹介してくれた本で ある。その教授も「読書は大事!」と言う人の1人。「講義の参考にもなるみたいだし,一応読んでみようかな…」と,なんとなくの思いつきで手に取った。

 これが,読んでみると面白い!会話に留まったコミュニケーション論を想像していたけど,内容はそれだけにとどまらなかった。話の文脈をつかむ「文脈力」を基盤としつつ,身体の重要性を強調。身体を使った例えも多くみられ,身近に感じやすい。また,実践的な技が多く記述されていた。メモやマッピング,頷きと相槌,会議運営のコツなど。今すぐ生活に取り入れられそうなものがいくつもあった。

 気がつくと,いつのまにか最後まで読みきってしまっていた。読みきったときには,もっと他の本も読んでみたいと思うようになっていた。1冊を最後まで読みきったことで自信がついたみたい。そうして,少しずつ読書量も増え始め,より多くの本を読みたいと思った私は ,本をバスの中に持ち込むようになったのです。

 しかし,なぜ今になってそういった行動にでたのか。高校の時にも読書をすすめてくれる人はいたし,友人の中にも読書家の子が何人もいた。けど,そのころはなぜだか読書に積極的にはなれなかった。

 高校のときとは違い,大学からは学校生活のほとんどが自己管理になる。けど,自己管理によって,いろんな自由が手に入った。興味のある講義が選択できる自由,サークルやアルバイトや遊びの時間が増える自由。やりたいことに挑戦できる自由。もちろん最低限の拘束は存在する。けど,それを含めても自由な時間が今までと比べると圧倒的に増えた。

 ただ,入学してからの半年は,まだ慣れないこともあったし,遊ぶことにも一生懸命だったから,他のことに興味がわかなかった。でも,それが落ち着いて,なにか新しいことに挑戦したくなった。そんなときに,1冊の本と出合ったとこで読書への関心が一気に高まったんだと思う。

 今は読書を楽しんでいるけど,他にも面白そうなことがあったら挑戦したいな。資格を取るのもいいし,海外旅行にも行ってみたい。バイトを始めるのもいいかもね。

 とにかく何でも挑戦してみたい。

 なんにでも挑戦できるのは大学生活が最大のチャンスだからね。

 とはいっても,色々余所見しすぎて学業がおろそかにならないようにしないと。後期試験は目前です。

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