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2016/10/03

第68回

モリマナミの台湾留学日記 その6「暮らし編」

森 茉奈美

(香川県高松市出身、2014年度入学)

6【暮らし編】

前回は、授業内容以外で学んだことをお話しました。今回は、私が留学期間中お世話になった寮と、寮で同室になったルームメイトについて、そして、私が感じた台湾の人の印象についてお話します。英語も中国語もさっぱりわからない私が、寮で同室になった台湾人のルームメイトと上手くやっていけるのでしょうか?

寮は大学内にあって、9階建ての綺麗な新しい寮でした。4人1部屋で、門限あり、無断外泊禁止、月1の部屋の大掃除に、フロア寮長によるチェックなど、「これぞ寮の規則」という感じの規則もありました。寮初心者の私は、アニメで見たことある規則だ!となり、感動しっぱなしでした(笑)。

 

寮には、台所がなく、自炊できる場所はありませんでした。昼ご飯のときに書いたように、学校の周りにたくさん食事を売っているお店があるので、そこで買って帰る人が多いからだと思います。夕方、寮に帰ると、テイクアウトした袋を持った人がたくさんいました。コインランドリーにあるような大きな有料の洗濯機や乾燥機があり、また、服を手洗いできるような場所もあり、夜になると、よく同じ階の子が服などを手洗いしていました。テレビは1階のフロアにしかなく、よく中国語に吹き替えられた日本のアニメが流れていました。寮に関してはこんな感じです。

 

ルームメイトの話に入る前に、ルームメイトだった子の紹介をしたいと思います。
3人とも台湾出身で、ものすごく英語を普通に話す子たとでした。同い年かと思ったら、今1年生の18歳だと言われて、「まじかよ。」ってなったし、私が20歳ってことを伝えたら、向こうも「まじかよ。」ってなっていました。英語学科の子が1人と金融とか企業系の学科の子が2人でした。1人は台中出身、もう1人は苗栗県出身、あと1人は聞いてないので出身地はわからないのですが、よく大学近くに住んでいるお姉さんのところに行っていたのは覚えています。日本の俳優さんとか女優さんとかバンドの話をしていました。山下智久さんや北川景子さんの話がよくでていました。

入寮前、台湾の先生に、「寮で同じ部屋には日本語話せる子はいないから、全部英語か中国語での会話になると思うよ。」と言われました。この一言を言われたときは、突然崖から突き落とされたのかと思いました(笑)。ただでさえ、空港に着いたとき、不安でいっぱいになって、ここで生活するという唯一落ち着けると思っていた場所に着いた瞬間の言葉で、もう日本に帰りたい、もう無理、って感じでした。でも、留学期間は、あと5カ月もあって、その間は日本に帰れないし、やるしかないと考え直して、ルームメイトへの自己紹介を英語で考えました。まあ、緊張しすぎて、考えた自己紹介の半分も言えなかったのですが(笑)。ルームメイトは、私のテンパりすぎて、自分でも何言っているのかわからない英語の自己紹介も、汲み取ってくれて、とても歩み寄ってくれました。最初は、「なんでこの部屋に放り込まれたんだ、日本語学科の学生さんがいるところに入れてくれてもよかったじゃない!」と思っていました。でも、日本語がなくて英語だけの会話だったから、英語を聞くのに慣れることができたり、どうしても英語だと直訳の意味しか理解できないので、日本語みたいに含んだ考え方をしなくてよかったりして、まあ、結果オーライだったのかなって、今は思います。いつもは1人でいることが多い私ですが、寮の生活となると、必然的に人とずっと一緒になります。なので、自分に足りないところ、たとえば、ありがとうとかごめんを言わなくても伝わるだろうと口にしないこととか、自分から言わなくても相手が言ってくれるだろうと思っていることとか、また、相手のいいところ、たとえば、感謝の言葉をどんな小さなことに対しても伝えるとこや、言うだけではなく行動に移すとこなどがいつも以上に見えてきました。1人でいると、改めて自分の行動について考えることはないのですが、ずっと一緒にいるので、相手を思いやる態度や行動をよく考えるようになりました。ルームメイトも周りの子もとても優しくて、台湾の観光地や食べ物など、台湾について教えてくれたり、一緒に買い物に行ったり、ご飯食べに一緒に出かけてくれたりして、言葉もわからない、習慣も違う国に来たけど、1人じゃないんだと思わせてくれました。

ルームメイトだけではなく、台湾の人の多くがどんな些細なことに対しても相手がしてくれたことに「ありがとう」と言っているのを聞いて、とても素敵だなと思いました。たとえば、エレベーター降りるときに、ボタン押して扉開けてくれている人に、降りるとき、「ありがとう」と言ったり、食事を持ってきてくれたら、「ありがとう」と言ったり。当たり前のことなのですが、日本では、あまり聞かないので、すごくいいなと思いました。それだけじゃなくて、電車などの席は気づいたら譲るし、見知らぬ人だから知らないふりをするんじゃなくて、どんな人でも困っていたら助けてるって感じを感じました。それがやろうとしてやっているんじゃなくて、自然に手が出るように見えて、本当にかっこいいなと思いました。台湾の人は、フレンドリーというか、人との距離が近かったりするので、それが根元にあるのかもしれません。お店の人と普通に会話し始めたり、どんな人にも別れ際に手を振って「バイバイ」だったり、日本だと学校の先生に「バイバイ」なんて言ったら、「ちょっと待て」から始まって、ちょっとめんどくさいお言葉を聞くことになりますが、台湾では、気軽に先生にも「バイバイ」で、先生も「バイバイ」で返していて、本当に距離が近かったように感じました。私は、日本だとそんなに些細なことには、ありがとうと言わなかったりしていたので、見習おうと心に決めました。向こうで些細なことでも、ありがとうと言われるとき、たいしたことはやってないのですが、嬉しかったので、感謝の言葉は口に出して伝えるほうがいいなと思いました。あと、日本語を使うときは、曖昧にして誤魔化すということがよくあるのですが、言葉がわからないというのもあって、はっきり思ったことは言うことの大事さも改めて感じました。日本でだと、相手も日本人だから言わなくてもわかるよね?みたいな感じに思ってしまいがちだったのですが、言葉も直接ちゃんとわからないので、思っていることは、下手でも伝えないと伝わらないな、と心の底から思いました。

こんな感じで、留学中勉強面以外のことも多く学ぶことができました。

では、今回はこの辺で。
英語も中国語も話せない私でしたが、寮生活もなんとかなりました。あと、台湾は笑顔が多いとか、台湾の人が優しいってのは、ほんとに本当のことでした。ほんとに人が温かくて優しいので、ぜひ台湾に行ってみてください!
次回は、ついに最後のまとめに。最後ということで、感情のまま書いたので、伝えたいことすべてを載せています。ぜひ、最後までお付き合いください。

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