教員プロフィール
大田 靖
准教授
Yasushi Ota
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- ◇ 研究室訪問
◇ 専門分野から
担当科目(学部)
- 情報システム
- ネットワーク入門
- 社会調査実習
- システム管理
- 情報科学
- データベース
専門分野
- 金融における数学
- スポーツ動作解析
- 社会現象の数理モデル化
- マルチエージェント・シミュレーション
研究内容
私の研究は、金融における数学、スポーツの動作解析、人間社会系の流行現象、現象のシミュレーションの4つの分野に分けることができます。その中でのキーワードは“方程式、データ解析、逆問題”です。特に、私は問題を逆に考える、逆問題の手法は生涯の研究テーマであると思っています。通常我々が問題を考えるときは問題から答えを導く方法を考えますが、これは「順問題」とよばれています。一方「逆問題」とは、答えから問題を推測することです。例えば、「ウイルスが体内に侵入すれば風邪を引く」と考え、ウイルスの種類を特定し風邪薬を処方することは順問題です。一方で、「風邪を引いた、ではその原因はどんなウイルスだろうか?」と風邪の症状からウイルスの種類を推測することが逆問題なのです。つまり“原因から結果を求める”ということが順問題であるならば、逆問題は“結果から原因を求める”ということです。例えば金融における数学の分野の研究目標は、日経新聞などに掲載されているオプション価格の情報より「この価格になるにはどのような原因が考えられるのか」をこれまでに蓄積されている逆問題の手法を用いて解明することです。
ゼミに来てほしい人材
- スポーツや音楽が好きな人
- 時間や約束をしっかりと守れる人
- 本を読むことが好きな人
- 考えることが楽しいと思える人
- 変わらないものを創り上げる楽しさに本気で取り組める人
在学中にしてほしいこと
- 考えること。とにかく、さまざまなことを考えて考えて考え抜いてほしいと思います。後から考えると「無駄な時間やったなー」と思うかもしれませんが、それは考え抜いた結果があるから思えることだと思います。
- 話すこと。とにかく、さまざまな人と話して話して話し抜いてほしいと思います。先生との議論や世間話、先輩とのゼミや将来の話、友達との朝まで続くくだらない話など、とにかく話すことをしてください。その時間が必ず生涯の宝物になるはずです。
お勧めの本
- トール・ノーレットランダーシュ「ユーザーイリュージョン~意識という幻想~」
…是非大学生活の間にじっくりと読んで欲しい1冊です。この本のタイトルになっているユーザーイリュージョン(利用者の錯覚)とは「パソコンのモニター画面上には“ごみ箱”“フォルダ”など様々なアイコンと文字が並ぶ。実際は単なる情報のかたまりにすぎないのに、ユーザはそれをクリックすると仕事をしてくれるので、さも画面の向こうに“ごみ箱”や“フォルダ” があるかのように錯覚する現象を指す」という意味の言葉で使われています。約500ページとかなりボリュームがあるうえに、本書の進行が科学技術の発展をテーマに展開していることもありなかなか難解ですが、じっくりと時間をかけて、友人や先生と議論しながら読んでほしい一冊です。 - トーマス・フリードマン「フラット化する世界[普及版]」
…少し古い本ですが、名著です。『「世界がフラットになっている」21世紀の通信テクノロジーの進化により、世界の仕組みが大きく変わり、時間や空間を問わず地球上のさまざまな人間との共同作業が可能となった。この劇的な変化が世界のフラット化である。』これからを生き抜く皆さんのバイブルとなると思いますので、時間をかけてじっくりと読み込んでほしい一冊です。
所属学会
- 日本数学会
- 日本応用数理学会
- 日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE)
- 日本バイオメカニクス学会
- 日本行動計量学会
主な著書
- 大田靖・根岸章(2015)「日常に数学を-文理をつなぐ数学教室から-」 学術図書出版社
- 大田靖(2015)「科学進歩・経済成長と環境問題の関係-日韓中の環境に対する意識の比較分析-」行動計量学 Vol.42(2915)No.1
- 大田靖・宿久洋(2016)「教養系のための統計入門」 実教出版