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2014/03/17

第56回

春の読書のすすめ

小 野 宗 麻

(岡山県浅口市出身、2011年度入学)

 こんにちは! もうすぐ4年生の小野宗麻です。
 気づけばもう3月、今までの穏やかな大学生活とは打って変わって、毎日が急流のように流れていきます。というのも、現在、就職活動だからです。面接や筆記試験、履歴書と向き合い、自分には何ができるのだろうか、友達の誰かみたいにもっと賢かったらいいのに、と劣等感に思い悩み、くじけそうになることも多々あります。
 今回のコラムでは、書店で偶然手に取った1冊の本が、就職活動にくじけそうになった私の心に響いたので、紹介しようと思います。それは、岸見一郎、古賀史健著『嫌われる勇気』です。この本は、3大心理学者の1人アルフレッド・アドラーの考えを、分かり易く現代的に書いた自己啓発本です。

 青年と哲学者である哲人の対話していく物語形式になっているので、誰でも気軽に読める本です。青年は、自らのコンプレックス、対人関係のしがらみなど、誰しもが抱えている悩みを哲人に投げかけ、私は不幸だ、人は簡単には変われないと言って、誰しもが幸福になれると言う哲人と議論を交わしていきます。哲人は、青年の言葉や起きた物事に対して明確な答えとともに、新しい見方や考え方を示して、青年の視界を広げていきます。

 この本が、私の心に響いた理由は2点あります。
 まず1点目に手厳しい指南の言葉が多く登場するからです。この物語の中で哲人が示す考え方や、答えはかなり酷で手厳しいものです。青年は哲人をサディスト、悪魔といい、哲人の言葉を劇薬と例え、針を飲み込むように苦しいと呻きます。しかし、その厳しい哲人の言葉や考え方は、これまで自分が見ていた「世界」が180°変わってしまうくらいに刺激的で効き目があります。
 そして2点目は、しっかりと物語の道筋が通っている点です。最近流行している自己啓発本には、悩みや疑問に対して、こうすればいい、こうするべきだと、結論を述べているだけの本が多々あります。
 しかし、私は、本当に大切なのは問題と結論狭間にある、なんでそうなるのか、どのようにしてそこに至るのかといった道筋であり、Why と How の部分であると思います。
 今回紹介している本は、1冊を通して青年の心の深い部分、哲人の答えを Why と How を何度も重ねて結論に行きつきます。物語がアドラーの考え方という1本の芯が通っているため、ぶれることなく理解を深めることができます。

 本の紹介が、長くなってしまいましたが、皆さん方にも、この『嫌われる勇気』という本を書店で見かけたら、是非手に取り、読んで頂きたいおススメの1冊です。
 実は、私は、この本を鞄に忍ばせ、就職活動しております。

 ではこのへんで、今日も頑張っていきます!!

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