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2008/05/01

第28回

サークルを通して

吉 田 達 矢

(大阪府八尾市出身,2006年入学)

 私はバスケットボールというスポーツが大変好きである。現在3年生になる私は,サークルを3つかけもちしていて,すべてバスケットボールサークルという具合だ。何故そこまでバスケにこだわるのか? それは,私の高校時代の話を少し話しておく必要があるだろう。

 私の通っていた高校は,その地域ではまぁまぁ名の知れたバスケ部を擁しており,そこに所属し,もちろんバスケ中心の生活を送っていた。しかし,2年になると同時に,学年でキャプテン,副キャプテン,アシスタントコーチという役職を決めなければいけなくて,私はアシスタントコーチ,通称ACに就くことになったのだ。では,一体ACとはどんなことをするのか? 簡単に言うと,顧問の代わり,生徒の監督といった感じ。私の高校は公立の学校だったので,顧問の先生が練習を付きっきりで見ることができない。そこで,ACが代わりをする,といったところだ。

 それが,いまに関係があるのか? まぁ待ってほしい。一番原因になったことは,まだ言っていない。ACに選ばれる(厳密に言えば話し合いで決める)と,プレイはあきらめなくてはいけないのだ。つまり,試合にはもちろん,練習にも選手として加われない。コーチとして参加するために,バスケットをプレイすることはできなくなるのだ。これは顧問の先生の理論で,教える側がいっしょに練習してしまうと,自分たちに甘くなって練習内容を軽くしてしまうという点と,プレイを捨ててまでチームに貢献している人間の言うことなら,プレイしている人間は多少厳しいこと言われてもがんばらなくてはならない,という点を反映したシステムになっているのだ。高校生にここまで求めるか?と思われるかもしれないが,公立高校はここまでしないと勝てないのだ。幸い,私はチームメイトに恵まれ,二度もインターハイに連れていってもらい,目に見えた結果も出してもらったので,もちろん後悔していないし,自分では内面がとても成長したと思っている。いや思いたい。

 話を戻すと,いま,その反動というべきものが出ているのだろうと思われる。サークルで高校時代の話をするとみんな驚くが,そういうバスケとの付き合い方もあるぞ,と説いている。

 現在所属しているサークルは,どれも週に1回ペースあるかないかなので,毎週2回くらい走り回っている計算になる。といっても,男だけのサークルは内一つで(このサークルは時間の関係であまり行けていない),あと二つは,女の子もゲームに入れて,男女混合でいっしょにやったりもするので,ガチンコ(本気)でやるゲームは多くはない。しかし,社会人バスケの大会への出場や他サークルとの練習試合も多くしており,このときは女の子も,とはいかず,男だけなので,練習不足が露呈する形になる。試合に負けた後は,決まって,サークル自体は女の子と仲良くやりたいが練習もしたい,というこのバランスの話を繰り返すことになる。しかし,最近一つのサークルで本来の活動,つまり女の子ともやるけど,また別に試合用のサークルを立ち上げるという動きがあって,今後どうなるか?といったところである。

 少し話がややこしくなったが,とりあえずバスケットが好きなんだなということが伝われば,と思う。

 ここからは,上とはまた違うサークルでの最近のゴタゴタから考えている話になる。

 サークルは,すごい中途半端だが,至極単純な集団なんだな,とあらためて思わされた。高校のときなんか,部活で一つの目標あるいは目的を目指して,集団も一つになるというガチガチの体育会系の考えだったので,サークルもこれと同じで,みんなで一つのことを楽しめないと何か気持ち悪い感じになっていた。せっかく同じサークルに集まったのだから。そこで,サークル内の同じ考えの友人といろいろな企画をして,一つの目標に全員が向かうように仕向けたのだが,これが終わってみると,不評の声がちらほらと遠まわしで聞こえてくる結果になった。・・・しかし,冷静になって考えてみると,やはり部活とサークルは性格の違うものであると気づく。極端に言うと,みんなバラバラの価値観をもって集まり,楽しいこともバラバラ。一つのことをする必要がなく,ゴール地点もない。自分が楽しめたらそれでいいのだ。少し寂しい気持ちになるが,至極当然なのである。もちろん一つの目標に向かっていくサークルもあると思うが,部活のようにそれを強要できない点があるということだ。まぁサークルについて深く考えすぎて,わけのわからなくなっているのは自分でも解っているのだが。

 だから,結局何が言いたいのかというと,サークルとは,そこにいる人たちと自分が合うか,いかに自分が楽しめるかなのだと思う。「そんなんわかってるわ!」と文章を読みながら全員総ツッコミしているだろうが,最終的に行き着くのはココなのである。

 何か途中グチっぽくなったが,私自身サークルに入って勉強になった部分も大きく,客観的に自分を見れたりもでき,他人の考え方をより多く吸収できたと思う。サークルの運営や身の入れ方はさまざまあると思うが,好きなこと(=バスケ)をするために集まった仲間であることには間違いないわけだから。なので,何も入らないで大学生活をするよりも,何か一つサークルに入れば,一味も二味も違った大学生活を送れると, あらためて思う今日この頃である。

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