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2007/07/06

第21回

わたしのひとり暮らし

松 本 有 加

(広島県福山市出身,2005年入学)

 7月が来た!それは私にとってとても重要なことである。今年は6月に入ってから急に気温が上がり、夜でも寝苦しいほどだ。無論、私の部屋にもエアコンぐらいついている(そこまで貧困ではない)。だが、私は意地でも7月まではエアコンのスイッチを入れない事を決めていた。心頭を滅却すれば火もまた涼しなのである。

 さて、いったい何の話かと思われただろうが、紛れもなくエアコンの話である。世の中にはクールビスなんて言葉が溢れ、国民の環境意識も向上しつつある。そんな世情に私も反映して、エアコンをつけない事にしたのだ・・・と言えば、聞こえは大変良いのだが、実際は電気代の節約の為である。前置きが長くなってしまったが、このコラムは「私の一人暮らし」ともっともらしいタイトルの付いたコラムで、私はタイトル通り、一人暮らしについて語りたいのだ。

 一人暮らし。私の知り合いや入学年度なんかを確認した人は「ん?」と思うだろう。そう、私は現在、3年生であるのだ。おいおい、今更2年以上も一人暮らしを続けてる奴の初々しくもない話なんて聞きたくないと、言ってはならない。なぜって、私は今年の3月に岡山に引っ越してきた正真正銘ピチピチの一人暮らし1年生だ。元々、私は広島県福山市の出身で2年間は真面目に通学をしていた。しかし、昔から一人暮らし願望が異常に強かったせいなのか、バイト代をこつこつ・・・それこそ、ウン十万も溜め込み、ついに去年の夏に目標金額を達成したのを機に、引っ越す事を決めたのだ。 1年の頃から住宅情報誌を読み込んでいた為、家賃の相場などはなんとなく分かっていた。けれど、盲点だったのは不動産屋をチェックしていなかったのである。岡山に親戚も伝もない私は早々に壁にぶち当たったわけだが、複数の一人暮らしをしている友人から情報を聞き出し、何件か回ってみた後、ある不動産会社に身を任せることにした。

 希望する物件の条件はできるだけ細かく決めた。「家賃5万以下・駅から15分圏内・セパレート・2階以上・築15年以内」というのが最低条件だった。そして、すんなり決まってしまったのが、現在の我が家である。家賃を5万以下と設定した為、かなり老朽化し手狭な物件を覚悟していたが、良い意味で予想を裏切った物件だった。1K6帖でキッチン自体もかなり広い。岡山駅から徒歩10分、家賃は3万5千円という好条件。セパレートという条件は破棄せざるえなかったわけだが、他の条件は全てクリアされていた。何より、即決の理由となったのは、築23年ではあるが現在改装中であるという事実だ。つまり、部屋自体は新築同様なのだ。敷金礼金を払い込み、契約を完了させ、私は引越しの準備を始めた。それが去年の晩夏の話である。引越し作業は家族や友人たちの力により無事完了。そして、私の一人暮らし生活が始まったというわけだ。 最初の一週間はとにかくホームシックが酷くて毎晩寂しくて泣いていたが、人間何事にも対応できるように身体ができているのである。

 結果、ホームシックを克服し(始まるのも早ければ終わるのも早い)、一ヶ月もすれば、何とか生活が送れるようになってきた。そこで、私はベランダで家庭菜園を作ることにした。食費を削るためというのもあるが、要は同居する友達が欲しかったわけだ(植物が友達というのも病気のにおいがするが・・・)。プランターと土と種を購入し、サラダ菜・青紫蘇・ネギ・二十日大根を植えた。芽が出ない、成長が遅いなど苦労はあったものの、二十日大根は無事収穫でき、サラダ菜と青紫蘇は現在も青々とした葉を茂らせている。

 一人暮らしをするようになって、行うようになったことがある。それは「習慣をつけること」と「日常的な目標を立てて、意地でも守る」ということだ。前者は、はじめに朝ごはんを必ず食べると言う事を習慣付けた。後者は、冒頭にも述べたような事をいくつも掲げている。くだらないようだが、こういう風な生活を送るようになって、規律のある生活を送れるようになった。一人暮らしというのは、自由になる反面、全てが自己責任だ。そういう所は大学生活に良く似ている。まだまだひよっこの一人暮らし1年生だが、その数ヶ月で私は変われたと思う。成長できたとまではいえないが、家族に依存していた以前とは確実に変化している。・・・いや、思いたいだけなのか?

  では、そろそろ長くなってきたわけだし、筆を置くことにしようと思う。こんな文章を最後まで読んでくれてありがとうございました。このコラムを書いているうちに当時の様子が走馬灯のように浮かんできました。死の前兆かもしれない。

  さあ、やっと7月になったわけだし、エアコンのスイッチを入れようか(でも、外は土砂降りの雨)!

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