社会情報学科で学べる「政治学」
松村博行 講師
■ 専門分野
 国際政治経済学|経済安全保障論
 現代アメリカ研究
■ 担当科目(学部)
 政治学|社会学|国際政治学|行政学
■ 担当科目(大学院)
 国際関係特論
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 皆さんは「政治」という言葉を聞いたとき、何を連想しますか。それは内閣総理大臣の顔でしょうか、あるいはワイロを受け取る悪い国会議員でしょうか、はたまた日本と外国との外交上のバトルでしょうか。もしかしたら、ドラマの『白い巨塔』で見られたような、企業や組織の中でのドロドロとした権力闘争を思い浮かべた人もいるかもしれません。
 実は、上に例示した現象はいずれも政治の一局面です。政治を一言で言い表すなら、それは「人間社会の中で行われる、人々の利害の対立を調整する営み」ということになります。
 私たちは一人では生きて行けないので、必ず集団で生活をします。ここに人間の集団、つまり社会が誕生します。ところが、同じ社会に住む人々といえども、常に意見や利益が一致する訳ではありません。もし、全ての人々が同じ目標に向かって突き進む、まるで金太郎アメのような集団ならば、利害の対立などは起こらないかもしれませんが、現実には、社会は異なる欲求を持った人々から成り立ちます。しかも、全ての人の欲求が満たすことは通常、不可能です。(だって、家族で外食する際でも、どこに食べに行くかで結構揉めたりしませんか?)
 ならば、社会を安定させるためには、これらの利害の調整が必要になります。ここで「イス取りゲーム」を思い出して下さい。イス取りゲームは、常に参加者の数よりイスの数が少なく設定されています。残念ながら、社会にもすべての人の欲求を満たすだけのイスが存在していないのです。ではどうやって数少ないイスを多くの人々に配分するのか。限られたイスの配分の方法を考え、決定し、実行する営み、それが政治なのです。そして政治学とは、こうした人間社会における政治現象を体系的に分析する学問といえます。
 いかがですか。このように捉えると、政治学は案外みなさんの身の回りのできごとと深くかかわる身近な学問だと思いませんか。政治学を修めたからといって政治家になれるわけではありませんが、私たちの社会の仕組みを読み解く一つのカギを与えてくれることは間違いありません。そんな魅力たっぷりの政治学をぜひ学んでみて下さい。

Department of Socio-Information, Faculty of Informatics, Okayama University of Science.