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地域分析研究会 研究紀要 「社会情報研究」

第17号 (最終号:2018年3月31日)  目次と概要(最終号:電子版でのみの公開です ⇒ PDF(2.53MB)

 

(研究論文)

台湾人観光客の岡山県における観光消費に関する研究

西坂 青海・薦田 勇智・山口 隆久

要旨

本研究では,台湾人観光客の宿泊費と消費単価の差に注目し,岡山県での消費が著しく低いアンケート調査が出ていることから,その改善案を探るため,検証,分析を行った。先ず,岡山県を中心とした台湾人観光客の周遊状況より岡山県が通り道になってしまっているという可能性が見えた。しかしトリップアドバイザーを用いたカイ二乗検定では,台湾人観光客は岡山県で十分に観光地を訪れていた。 そこで岡山県に観光地としての魅力がないわけではないので,二つ目観光としてのポジショニングが重要であると考える。また,因子分析によって『体験観光』の重要性が読み取れたため,岡山県では,『体験観光』に重きを置いて二つ目観光として観光振興を行うべきであると考える。 以上,考察を通して,台湾人観光客の特徴と,岡山県のインバウンド状況について理解が深まり,岡山県の直面している問題を把握し,その改善案を提案した。

キーワード:インバウンド,台湾人観光客,体験型観光,二つ目観光

(研究論文)

情報教育の変遷と人材育成に関する一考察

 西山 ちとせ・森 裕一

要旨

情報化が進展するなかで情報機器を正しく使い、活用できることは重要で、学校教育においても2003年から「情報科」が高等学校に導入された。今後の教育において、統計的な分析に基づき判断する力、思考するために必要な知識やスキルなどを、各学校段階を通じて体系的に育んでいくことの重要性が高まってきている。また、データ利活用社会に対する意識の向上等が必要であるとなってきている。
本研究では、高等学校の学習指導要領に焦点をあて、今後の情報教育において求められる人材を検討した。その結果、これまでの学習指導要領では時代を反映した目標が定められているが、実際の教育ではその一部しか実現されていないこと、今後の教育においては、情報活用能力を身に付け、問題解決ができる力を養うことが必要であること、過去の反省の下、次期学習指導要領の目標を正しく実現する取り組みを行い、データサイエンティストの素養をもつ人材を育成していくことが重要であることが明らかになった。

キーワード:学習指導要領、問題解決能力、情報活用能力、データ分析

(研究論文)

イメージ調査における項目選択の試み

片山 浩子・ 森 裕一

要旨

本研究では,イメージ調査データの項目選択を精進するため,2 つの項目選択手法を試みた。1 つは非計量主成分分析における変数選択手法を用いるもの,1つは,項目反応理論を利用した項目選択である。1 つ目の手法は,複数次元に縮約させるデータに適用し,2 つ目の手法は,回答を2 値に置き換えて項目反応理論で分析されるデータに適用し,動作を確認した。その結果,質的データを主成分分析の文脈で変数選択できること,2 値データから被験者の潜在特性値を推定し,最小二乗規準および順位相関規準を利用して項目選択ができることがわかった。

キーワード:非計量主成分分析,拡張主成分分析,潜在特性値,変数選択,順位相関

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