（総説）

水島工業地域をめぐる環境保全対策の経緯等に関する研究

井上堅太郎・前田泉・泉俊弘・待井健仁・安倍裕樹・羅勝元

要旨

  水島工業地域については、1950年代後半に開発が始まり、公害の未然防止を目指したものの1960年代〜1980年代には立地企業の本格操業とともにさまざまな公害が発生して未然防止に失敗した。発生した大気汚染系健康被害、異臭魚の発生、農作物被害、住居移転問題など諸問題に対して住民等と企業との間で緊迫した事態が繰り返されたが、倉敷市を始めとする行政が対応策を模索・導入し、市民の忍耐と水島開発のバランスが維持されてきた。最近では低炭素化に取り組むようになってきているのであるが地域における温室効果ガス排出量の大半は水島工業地域から排出されている。水島工業地域をめぐる環境保全対策の経緯等について研究した。

キーワード：倉敷市　水島地域　地域開発　公害　公害対策　環境保全対策

（調査報告）

ベトナム南部ロンアン省出土のガラス製装身具の制作技法
―ヴァンコータイ川流域におけるガラス生産と型当て整形について―

平野裕子・徳澤啓一・NGUYEN Thi Hoai Huong