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院生紹介・研究室紹介

森研究室 院生紹介(大学院「進学のすすめ」より)

森ゼミ写真

 

 

平成15年12月に,本大学院発行の「進学のすすめ」に投稿された記事をそのまま掲載しました。したがいまして,内容は当時のものであることをお断りしておきます。

 

 現在,森研究室には,杜暁東さん,上島洋介君,本多啓介君の3名の修士課程の院生がいます。普段は,院生研究室で研究をがんばっていますが,ここでは,彼らの学外とのかかわりを中心に,その研究生活の一端を紹介したいと思います。

 森研究室では,社会の情報を分析する有効な手段である統計手法に関して,その理論的研究やコンピュータによる数値的検討,データ解析に関連するソフトウェアやWebシステムの開発などを行っています。現在,「研究成果発表の場」として,岡山地域の統計研究会,日本計算機統計学会などの国内学会,COMPSTATなどの国際学会,「共同研究」として,科研費研究のプロジェクト,文部科学省統計数理研究所(統数研)の共同利用研究,ドイツのフンボルト大学の統計・経済学科との国際交流などに,森研究室の院生がかかわっています。

 たとえば,杜暁東さん。中国からの留学生で,多変量解析の基礎的研究をした後,新しい手法の構築をめざしていますが,すでに,2つの国内学会の全国大会に足を運び,情報収集を行っています。2003年11月には,ドイツより岡山に招いた先生と研究会や岡山観光の中で意見交換をしたり,統数研で行われた「統計解析環境の多角的利用と構築に関する研究」の研究会で発表したりもしました(上島君も発表しました)。また,同12月には,統計ソフトRの開発者をニュージーランドから招いてのワークショップ(統数研で開催)に,上島君や本多君と共に参加し,最新の研究動向の把握に努めています。

 次に,上島洋介君。上記のように統数研の研究会で発表したり,国内学会に参加したりしていますが,何よりも,彼は,2002年ベルリンで開催されたCOMPSTAT 2002という計算機統計学の国際会議に出席したことが大きな経験となりました。発表はありませんでしたが,初めての国際会議に大いに刺激を受け,今は,統計教育に関する各国の取り組みや国際プロジェクトについて研究を進めています。また,2003年3月倉敷で開催された「日本行動計量学会岡山地域部会第4回研究会」の学生セッションで「データ指向統計解析環境について」というタイトルで発表し,みごと「プレゼン賞」を獲得しました。

 最後に,本多啓介君。彼は,それまでに培ってきたプログラミングの技術を生かして,Javaを中心としたWebシステムを研究しています。具体的には,インターネット上にオンラインで統計解析ができるシステムを作るというものですが,その仕組みには,フンボルト大学で開発された統計システムを利用しています。学部時代に先方のシステムを知ったことから利用が始まったわけですが,それ以来,ベルリンにメールで質問したり,彼も参加したCOMPSTAT 2002で直接開発者と会って話をしたりして,国際交流の中で研究を進めています(議論のいくつかは,元のソフトの改良につながっていますし,彼の成果はベルリンでも紹介されました)。これらの経験を基に,上記「岡山地域部会第4回研究会」の学生セッションで発表したり,2003年11月御殿場で行われた日本計算機統計学会第17回シンポジウムで「Webベース統計解析システムの開発」というタイトルで発表したりしました。今は,2004年プラハで行われるCOMPSTAT 2004での発表をめざしています。 (上記の研究会や学会への出席には,本学や参加先機関から旅費等の補助が出ます。良い研究には助成もしっかりつくというわけです。)

 これらに加え,多摩大学と鹿児島大学の先生方と共同で行っているプロジェクト(「データ指向型統計教育環境に関する研究」,http://mo161.soci.ous.ac.jp/@d/)にも3人が参加し,システムの一部を責任もって担当しています。 このような学外とのかかわりによって,研究の目的や問題点をよりはっきりさせながら,忙しい中にも充実した研究生活を送っている森研究室の院生たちです。

(平成15年12月,総合情報研究科 森 裕一 記)

 

その後,杜さんは紀要へ投稿,上島君は数学教育学会で発表,本多君もプラハのCOMPSTAT2004で発表と,無事,研究成果を公表し,2005年3月,学位記授与式を迎えました。修了後は,杜さんと上島君は県内の企業に就職,本多君は総合大学院大学の博士課程へと進みました。(2006年6月追記,森)


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