~坂部先生からの言葉~
この授業、どんな内容?と聞かれても一言では難しいのですが、次のように考えてください。
皆さんの目に見えて手に持っていける物、これを「有体物」といいます。たとえば財布とか、カバンとかがそうです。それらが盗まれるとドロボーといって警察に届ければ、刑法によって取締りをしてくれます。
でもこの講義では、目に見えない、手に持つことができないもの、これを「無体物」といいますが、これについてお話をするものです。例えば、発明やアイデア、感情や表現といったものは手にとることはできませんよね。これらを保護する法律が「知的財産法」といって、今はとても大切な法律です。
皆さんの身近にあるものにソフトウエアがあります。ソフトウエアは丸い円型をしたもの(CD・DVD:ディスク)で目に見えるように思いますが、この円盤そのものは知的財産ではなく、その円盤の中身にあるプログラムなどが知的財産です。これは手でつかめませんよね。
皆さんも卒業までに一つの知的財産を持つことになります。何かわかりますか? 卒業論文です。卒業論文は、皆さんの知識・知恵・感情・創作的表現が入った作品です。論文の冊子本体は知的財産ではありませんが、この論文の中身は知的財産です(物まねでない限り!)。これを何者かが無断でコピーすると、著作権法(知的財産法の一つ)違反として罰せられます。この著作権は、今の法律では皆さんの死後50年間は法で守られるのですよ(なので、一生懸命、論文が書けるように勉強しなくては!)。
こういった情報化社会を背景とした「知的財産」のついて、勉強していきます。現代人必須の教養であり、かつ、社会情報学科における典型的な専門科目といえるでしょう。
文・写真:渋谷 恵(09生)・堀川千賀(09生)