研究室訪問 Part 2 | 泉 研究室  |  2008/04/01

研究テーマを詳しく教えてください。

 経済学の中でも、地域経済学が専門です。難しく言えば、地域において生じる様々な経済現象を理論的・実証的に解明する、ということになります。一口に『景気がいい』と言っても、実際の景気の状況は日本中で均一ではない。大都市では早い段階から回復していても、沖縄や北海道などではとても回復したとは言えないということもありえますからね。
 そう考えると、経済は国単位だけでなく、それぞれの地域ごとに見ていく必要もあるのではないか。そう思ってこのテーマを選びました。

他に経済学を選んだ理由はありますか。

 旅行するときは列車を使う場合が多いということもあるでしょうか。今は県庁所在地の駅なんて、どこもほとんど差がないですが、昔は魅力的な駅も多く、その地方ごとに街にも違う顔があった。そういうことに高校生のころから触れていたことも動機になったかもしれません。

ゼミではどういうことをしていますか。

 三年次では、まず、世の中の出来事について経済学的な見方を身に着ける訓練をします。何気なく暮らしていると見過ごしてしまうようなことの中に問題を見つけなければなりません。そういう「問題意識」を持ってもらうために、世の中の基本的な仕組みが理解できるような入門書を全員で読んでいます。本はゼミ生自身が探してきて、皆で相談しながら一つを選びます。社会に対してアンテナを張る、ということが大事なんです。
 たとえば、地球温暖化問題。現実に太平洋にあるツバルという島国が沈みかけています。そこで大潮のときに、これまでは起こらなかった大洪水が起こる。温暖化のせいで海面が上昇したのが理由だといわれているのですが、その原因は、ツバルの人々にとっては何の関係もないところにあるんです。中国経済の急成長で、大量の二酸化炭素が排出されている。一方、アメリカにはその二酸化炭素の排出権を売買する企業まである。まさに「地球はひとつ」。経済的に深くむすびついているわけです。
 こういうことに気づくには、先人の知識をさらに深く掘り下げる必要があるので、まず世の中の仕組みについての基礎知識を持ってもらうことにしています。
 次の段階で、アンテナに引っかかったものの中からテーマを絞っていきます。最終的には、個々人の分担を決めて、全員分の卒業論文が集まって大きな一つの論文になるようにしています。もちろん学生がテーマを決めるから、その年毎に特色・意識の違いが出てきます。

最後に、学生に対して求めることはありますか。

 説明を聞いて分かったのなら分かった顔をするか、うなずくかしてほしいですね。分からないときは質問してほしい。リアクションがない学生ばかりだと、授業がすごくやりづらいです。
 

  泉 俊弘 教授  
プロフィール
出身県 京都府
血液型 AB型
星 座 かに座
好きな言葉 稼ぎに追いつく貧乏神

研究テーマ
 ・ 地域経済に関する理論的・
  実証的研究

担当講義
 
  • 経済原論
  • 地域経済分析
  • ミクロ経済解析
  • 経済情報化論
  • 国際経済論
  • 地域経済分析特論(院)
  • 社会情報研究
  • 卒業研究

 
卒業研究のタイトル
●地域情報化の現状と問題点
●地方中核都市・岡山の交通問題
●岡山県における観光の現状と課題
●現代日本と中国の地域格差
●市町村合併と財政の課題
●構造改革と高齢者雇用

  学科の教員紹介ページへ

  研究室訪問Part1のページへ

  

バックナンバー  |  社会情報学科のトップページへ