研究室訪問 第7回  坂部 研究室  |  2005.12.26 
坂部 望 助教授
プロフィール
出身県 北海道
血液型 O型
星 座 乙女座
好きな言葉 希望は失望に終わる
ことはない

研究テーマ
 ・ 情報法

 ・ 情報医療法

担当講義

  • 情報関連法学
  • インターネット・通信法
  • 社会情報実習
  • 社会情報研究
  • 卒業研究

 
卒業研究のタイトル
情報都市形成と法に関する一考察
メディア融合時代における立法事例−マレーシアの通信・マルチメディア法−
ASEANの通信法制−シンガポールにおけるサイバースペース関係法の調査研究−
マルチメディア・スーパー・コリドー計画とサイバー法−マレーシアの挑戦−
欧州連合における電子商取引の新たな規制枠組みについて

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先生の研究分野について教えてください。

 学問的にも新しい分野で,「情報法」が専門です。今の時代の主要な法律は,明治時代とかに制定されています。皆さん,劇場などで払う料金などを法律で何というか知っていますか?
 答えは「木戸銭」。笑えますよね。まるで銭形平次の時代。これは立法当時,木の格子戸を開けたらそこに番台があって,代金を支払ったことに由来します。このようなアナログ時代(私はこの時代が好きですが)の法律が ,今の情報化時代(デジタル時代)を支えることができるかというと,いろいろな問題があるのです。例えば,鞄,財布,さらには電気や水道を盗んだ場合 ,窃盗罪になりますが,データベースの中にある情報を外部からハッカーが侵入して,情報をスキャンして盗んだ場合,盗まれた方もちゃんと情報がある ,いわゆる無痕跡性の窃盗です。これは今の刑法では取り締まれません。つまり,現在の刑法典は窃盗の対象を「財物」としています。「情報」は,まだ財物ではないのです。

法学の面白さはなんですか?

 そうですね,一言で言えば,奥深いことかな。西洋法制史的に奥をたどれば,ローマ法にまでたどり着き,このローマ法は,キャノン法(教会法)の影響を受けていることになります。比較法などを勉強しますと ,様々な国の文化や宗教なども立法に深く影響していることがわかり,法律の研究は面白いですよ。私はASEAN圏の情報法の動向に注目しています。また ,法律を知らないと如何に損かがわかりますよ。たとえば,時効で支払わなくてもいいものにお金を支払ってしまったりすることもあるかもしれません。

休日は何をされていますか?

 日本の伝統芸能が好きです。東京のシンクタンクに勤務していたときは,休日は国立能楽堂に入り浸りでした。あと,歌舞伎座にもよくいきました。それから ,美術館や写真展などが好きですね。今年,はるばる北海道から岡山にきたので,どんなものがあるのか楽しみです。倉敷とか大原美術館に行ってみたいです。あと ,映画鑑賞ですね。昔,シナリオ作家志望でしたから。

今後の目標を教えてください。

 えっ,独身の身で岡山に来たので,嫁さん探しかな。これは冗談として,情報化の波は様々な分野に浸透していますが,高齢社会を迎えた今,医療機関における情報の法的研究が進んでいないことに注目しています。特に電子カルテと個人情報の問題や遠隔医療の問題などに ,どんな法的要請課題があるのか,諸外国の例を参考に開拓したいと思います。 ―最後に,学生に求めることは何ですか。
 皆さんは,時を有効に用いて学生生活を謳歌してください。
 

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