経営学部開設にあたって

新しい価値の創造・・・には文系とか理系とかはまったく関係ない。だから文系と理系の壁を取っ払った両方学べる経営学部をつくりたかった。

“いま”(これから)の経営学を学んで欲しい

 新幹線や冷蔵庫、携帯電話にインターネット、これらは主に理系出身の素晴らしい技術者の方々の『知』を結集して作り出してきたモノやサービスであり、技術革新、いわゆる『イノベーション』と呼ばれています。そのお陰で私たちはずいぶんと快適な社会の中で生活ができています。
 しかし、時代背景も大きく変わり、現在、モノやサービスは、マーケティング主導による新たな経済的な付加価値を創造することが強く求められています。グローバル企業のグーグルやスターバックス、アップル、日本企業でもソフトバンクや無印良品、ニトリなど、これらを実現できた企業の躍進が目立っており、いわゆる勝ち組となっています。
 つまり、現代社会のイノベーションは、従来の技術革新から、新しいサービスやアイデアから生み出される経済的な付加価値の創造へと、意味合いが移り変わってきています。
 一方、世の中、○と×、白と黒、では解決できない、△やグレーと言われる事柄がとても多いのも事実です。この大多数を占める△やグレーに解答を見いだすには、歴史学や民俗学、心理学や論理学、哲学などの『文脈の知』なるものが必要であると言われています。だからこそ、現代社会のイノベーションを導き出すのに必要なマーケティングデータサイエンスに加え、『文脈の知』が学べる制度と文化の研究専門領域も準備しました。

 私たちは、即戦力という安易な表現ではない「本物」の力をつけてほしい、そのために、イノベーションを起こすとはどういうことかを、企業や自治体の現場の方と本物の問題解決に取り組む中で体得させ、データでものごとを判断していく“いま”(これから)の経営学を極めさせたい、との想いから、社会情報学科を規模拡大し、経営学部経営学科に改編することとしました。
 そこでは、文系や理系の壁を取っ払った「経営を科学する」教育を行います。経営学は、実に身近な学問であり、かつダイナミックで裾野が広い学問でもあります。“企業”は、経済に連動して日々動き、進歩しています。逆に言えば、それだけ研究テーマが日々増えていることになります。

 岡山は、ここ近年の消費者の国産志向の高まりから、岡山産のデニム生地・製品の質の良さから海外での評判が高まっており、ファクトリーブランドが続々と立ち上がるなど、非常に注目を集めている地域です。是非、このような伝統とトレンドが混在する岡山の地で、“いま”(これから)の経営学を一緒に、そして真剣に学んでみませんか。

経営学部 学部長 就任予定
山口 隆久(教授)

●専門分野
 経営学、企業論、経営戦略

●学位
 博士(マネジメント)

●新聞インタビュー
 山陽新聞取材記事

経営学部で養成する人材像

経営学部では、岡山理科大学の建学の理念のもと、「社会に対する理解力と創造的な能力、問題発見・解決能力をもち、新たな経済的付加価値を生み出す創造性豊かなマネジメント能力を有する人材」を養成します。ここでいう「マネジメント能力」とは、企業の経営に限ったものではなく、社会生活において発生する問題を解決する能力までをも含むものです。具体的には、次のような6つの能力の獲得を目指します。

  1. 社会人として必要な基礎的なコミュニケーション力や交渉能力
  2. 経営学分野および隣接関連分野に関する基本的な知識を体系的に理解する能力
  3. 現代社会のイノベーションを理解し、具体的な戦略を構築、実践できる能力
  4. ビジネスに関する問題発見・解決の実践的能力
  5. ビジネスで必要とされる統計解析やデータ分析、ICT技術活用に関する能力
  6. 人類の文化や社会と自然に関する知識を理解し、尊重しようとする能力

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