研究室訪問 第13回 中島 研究室  |  2006.6.1 
 中島 聰 教授
プロフィール
出身県 広島県
血液型 A型
星 座 みずがめ座
好きな言葉 虚住実還

研究テーマ
 ・ 記号の構造・意味の解析

 ・ 科学史と社会的機能

 ・ 論理的推論の形態と技法

担当講義

  • 記号論
  • 科学技術史
  • 論理学
  • 論理・科学特論(院)
  • 社会情報研究
  • 卒業研究

 
卒業研究のタイトル
天文学・力学への革命的挑戦−近世人ガリレオの野望
栄光のノーベル賞−授賞への条件とノーベル財団
錬金術−神秘なる思想の全貌
情報通信機器の発達と社会−(携帯)電話を事例として
十七世紀イギリスの科学と社会の相互関係について
命題論理と述語論理における言語の記号処理の研究

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主な研究としている記号論というのはどんな学問なのでしょうか?

 二十世紀に入ってブレイクした,幅広い範囲をもち,そして現在も多くの知的な活動に大きな影響を与えている新しい学問分野です。
 人間はさまざまな記号を豊かに操る動物と言われます。今日記号という語を聞いて,アートの世界・ファッション・広告・メディアの世界・話しことば・書きことば・映像・交通標識・商標等,いろんな表現形態を思い浮かべると思います。このような記号についての研究は言語・非言語・思想・宗教・芸術・社会・経済から情報理論・コンピュータ・コミュニケーション論等,現代人の生活様式全般にわたります。こうした文化情報としてのさまざまな記号のシステムやその意味を分析しています。

次に科学,特にその歴史研究とはどんなもので,それは具体的にはどのように行なうのですか?

 科学史研究とは「科学の発展の歴史」を調べることです。この科学の歴史は三つの視点から見ていかなければいけないと思います。最初は科学が成立する時。科学はアルキメデスやニュートンやアインシュタインのような天才たちが周りと孤立して創ったのではなくて,やはり彼らを取り巻く時代とか社会という背景が必ずあります。まず科学者の生きた状況を見ることが大切です。
 二つめは科学者自身の個性。なぜアルキメデスはそのように考えたのだろう,何をめざしてガリレオはこんな実験したのだろうという視点。科学的な発想を形成した科学者の生活上の事実にも注目することです。
 三つめは科学的な発見・真理とその業績が後世の学問や人・社会への影響。それは,その成果に次代の科学者がどんな受容・改革をしたかということです。この関連の時間的な変移・空間的な相互関連を明らかにすることです。
 この考察を通して科学の本質や科学が現代の社会に果たす役割・責任を明らかにしていこうというのが私の科学史研究の特徴です。

そのほかに論理学も研究されていますね。これは記号や科学の研究とどのような関係にあるのでしょう?

 論理学は思考の正しいシステムを研究するものですが,その中心をなす推理の形態や技法の多くを駆使して,さまざまな記号の豊かな意味やシステム,さらには諸科学の思考パターンを分析するのです。つまり論理学は,記号論や科学論の解析のツールです。

最後に今の学生に望むことや何かメッセージはありますか?

 大学の四年間は長いようで短い。高校生まででできなかったことをいろいろ体験し,将来の夢を見つけて欲しいですね.あせらずにしっかりと,そして真剣に。
(Festina lente!)
 

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